ひとりラン

走りなれたはずの皇居周回コースを
ひとり、じっくりと走ってみる。



 自分と外界を隔てる、一枚の皮

 その内部と対話する時間

 その外部を感受する時間

 その二つが融合し、無になる時間




たった30分足らずの、濃縮された時間。
2年間、向き合い続けたこの時間がなかったら、
論文を書くことも、会社を辞めて進学を決めることも、
なかったかもしれない。



座禅が、バスを降りる決断につながったという
円融寺のお坊さんの話を思い出す。



いつもなら、
たっぷり汗を流したあと、
シャワーを浴びてさっぱりしたら、
とぴきり美味しい食事が待っている。



でも今日は、
たっぷり汗を流したあと、
シャワーを浴びてさっぱりしたら、
さてと学校に向かう。



それも、また良し。たぶん、これでは続かなかっただろうけど。