生命の水

何年も人目に触れず
忘れ去られたようにそこにある水道の蛇口を
おそるおそる、回してみる。



金属はすっかり錆びつき
かさかさと乾いた音を立てるだけ。



いつか、その奥に流れる澄んだ水が
人々を潤すことができる日まで
何度でもここへ来て
蛇口を回し続けよう。





日記、再開。
気づけばすっかり霞んできた
自分というものの輪郭を確かめるために。