焦燥の内側

 退職届を提出した。
 そして、まだ入社関連書類は未提出のまま
 境界線に跨っている。

 
 こっちでやらなければいけないことと
 あっちでやらなければいけないこと。
 時間は無言のまま流れつづけている。

 
 奇妙な焦りに包まれて
 やるべきことを書き連ねる。
 できるだけ事務的に、機械的に。
 
 自分が抱えきれないと思っていたことが
 あっさりと小さな紙切れ1枚に収まってしまう。
 
 ガードレールの下で叫んだ。
 10m先の歩行者すら振り返らない。

 
 「境目」でするべきことはなんだろう?
 さっきの紙をゴミ箱に捨て
 もう一度、真っ白な紙を取り出してみる。