出張の達人 −徳島編 始

夜、駅前の通りを目的もなく歩いていると、
どこからかお囃子の音が。


夏祭りを思わせるその音に誘われて川沿いの広場に出てみると、
阿波踊り」の練習が行われていた。
大人たちが奏でる楽器のリズムに合わせ、子供たちが列を成して踊っている。


列の一番最後をくっついていた男の子には、その小さな身体に、
何代にも渡って引き継がれてきた「阿波」の血が流れているのを感じた。



盆にオバサンたちが踊る退屈なものだと思っていたけれど、
背の高い椰子の木が立ち並ぶその下で、深まる夜に向けて踊る風景は、
さながら「和製サンバカーニバル」の様だった。