京都日記 −禅

zen9112005-12-24

今回の旅のほぼ唯一の目的は「座禅」。


お寺によって違うが、週末などに1時間程度の座禅会が催されている。
そしてまさにクリスマス・イヴ、静かに座禅は始まった。


≪座禅≫
冷気が中まで染み込んだ座布団の上に素足であぐらをかき、
とにかく沈黙に身を委ねる。


30分 −すぐに寒さとの戦いが始まる。冬のお寺の静かな寒気は手足を麻痺させ、
体の芯まで迫ってくる。あまり集中できず、眠りと覚醒の間を彷徨っている感覚。
時間が途方もなく長く感じる。


5分 −休憩


30分 −寒さを一つの環境や現象として受け入れられるようになってくる。
意識が、内へ内へと向かう感じ。何かがわかりそうな気がしてくるが、
もちろん何もわからない。あっと言う間に時が過ぎた。


≪説法≫
・人は何かに打ち込んでいるときが、最も集中しやすいものであり、
 何もせずに瞑想状態に持ち込む「座禅」は非常に難易度の高い修行である。
・社会的に無価値な「何もしない」という時間の価値を知ることに意味がある。
・ノッている時よりも、多少沈んでいる時の方が上手くいく(らしい)。
・座禅は、現実で起きる「問題」を解決しようとせず、ただひたすら変わるのを待つもの。
・座禅を組むときは半眼。(これを知らず、1時間ずっと目を瞑っていた。)



凍てつく冬も、空気が緩む春も、むせ返るような夏も、郷愁漂う秋も、
ただひたすらじーっと座る。
季節を一周した時、ようやく「禅」の心に触れられるような気がした。


=====MEMO=====
無礙光院(むげこういん)

左京区高野清水町65
075-781-1227
毎週土曜日、18:00〜19:00
個人は無料、予約不要