運用についての私見Ⅱ

運用や投資ということが持ち出される時、
決まって出てくるのが「リスク」という言葉。


「リスク」と言うと、いわゆる「値下がり」や「元本割れ」など
下振れのことばかりが連想されるが、
この場合の「リスク」とは、価格の上下のことであり、
上振れの意味も含まれている。


ローリスク → ローリターン、
ミドルリスク→ ミドルリターン、
ハイリスク → ハイリターン、
これはいわば「常識」であり、一面では正しい。


しかしコトは、そう単純ではない。


このような「リスク」を持ったものは、
株や債券、為替、商品、その他オルタナティブまで、様々。

そして良い運用とは、
(「良い」というのはあくまで主観で限りなく個人的だけれど)
これらそれぞれのリスク商品を組み合わせて
リスクをコントロールし、出来るだけ低く抑え、
安定的な期待リターンを得ることだ、と思う。



いくつもの香辛料を調合して絶妙の味を生み出したり、
個性的なプレーヤーを束ねて最強のチームを作ったりするが如く、
それぞれ特徴的な資産を組み合わせて理想的なポートフォリオを構築する。


そこに必要なのは、
それぞれに対する基本的な理解は勿論のこと、
バランス感覚や時代を読む感性や未来を想像する力が、
あるいはむしろ必要なのではないかというのが、
これまで数千人の投資家と接してきた経験から感じたこと。


毎日何時間もパソコンの画面を睨みながら
秒速でマウスをクリックするよりも、
肌で時代の変化を感じる感覚を保ちつづけたり、
目に見えないものまでも想像できる感覚を研ぎ澄ませる方が
「一流の投資家」たるに必要なことなのではないか?


「天才は99%の努力と1%のひらめき」ほど極端ではないけれど、
まあ、「30%くらいの専門知識と、70%くらいのセンス」なのかなあ、と。